サッカー・アジアカップ決勝戦で、日本代表を優勝に導いたのが、長友佑都のクロスから放たれた李忠成の劇的なボレーシュートであることは周知の通り。だが、なぜあの場面で李は完全フリーの状態でボールを待っていたのだろうか――。

31日、テレビ朝日「報道ステーション」では、元日本代表でサッカー解説者の澤登正朗氏が李、長友を直撃。同氏が着目したのは、長友がクロスを蹴ろうとした際、李がニアに大きく踏み出すようなフェイントを入れたことにより、その行く手を阻もうとした相手DFがつられてしまった点だった。

改めて映像を観た李は、「ニアに行こうと思ったんですけど、ニアに“クッ”って身体を前にした時に、（相手DFが）喰いついてきたんで、あの一瞬の動きでうまく外せた」と振り返り、長友もまた「李とも話し合ってた」と語った。

その選手についての韓国某ネット掲示板での話題を。

アジア杯の決勝戦で、劇的な決勝ゴールで日本に勝利をもたらした李忠成選手。韓国の大手ポータルサイト、「ダウム」の掲示板では、筆者が「李忠成選手の決勝ゴールを手厳しく真剣に受け入れよう！」と題し、李選手が韓国U−19時代にチームメイトから差別を受けたことに対して、スレッドを立てている。以下、韓国語による書き込みを、日本語訳した。（　）内は編集部の素朴な感想。

―――――――――――――――――――――――●溶溶　決勝ゴールは素晴らしかった。差別する私たちの国民性が問題ですね。米国民が黒人を差別することより、はるかにひどい差別をすることもある。私たちも反省する必要があります。

●平和　李忠成のゴールは、本当に幻想的だった。韓国は宝物を手放してしまった。やはり日本は分かっているな。

●800X800　李選手が、もし決勝戦で韓国を相手にゴールを入れたら、明らかに途方もない非難を受けたでしょう。だが、韓国戦ではなかった。ただ、よくやったと祝ってあげたいですね。私たちとライバルである日本代表なので、これ以上李選手に対して話すのは、選手本人や私たちの感情的にも適切でないと考えます。 （李忠成選手がアジア杯に際し、韓国戦でゴールを決めたいと語ったことが、韓国内で物議を醸していました。）

●花火男　李忠成がゴールを入れたことに対する関心が、とても多いですね。ただ一つのゴールを決めた、それ以上でもそれ以下でもない。

●はるかに　李選手の善戦と優勝おめでとうございます。韓国ほど差別がない日本で幸せに暮らしてほしいと思う。

●幸運を戻して　李選手が韓国で代表に選ばれることができなかったのは、差別があったからだけだろうか？そのような可能性がないわけでもないが。韓国が李選手の実力を測り知ることができなかったというなら理解するが、差別されたから代表になれなかったという論理はおかしいと思う。

●パブレガス　李忠成の決勝ゴールを祝賀する！ しかし、今回大会で最高の選手は本田だ！

●明らか観戦　いい話ですね。皆、胸に刻んで反省し、変わる必要があると思う。

●cOntrOl　「李忠成」がネイバー検索順位1位だね。韓国人の「瞬間湯沸かし器」と呼ばれる気質は相変わらずだ。（李選手は、今回の決勝ゴールで一気に日韓で話題の人になりましたね。）

 

―――――――――――――――――――――――●スレ主：ドリーマー　日本VSオーストラリアの試合が、1−0で終わった。日本の4度目となる優勝の決勝ゴールは、李忠成選手が決めた。李忠成選手は、在日韓国人4世の選手で元韓国籍だった。彼は韓国代表チームの選手になるほどの才能があり、実際に韓国ユース代表に選抜された。その時のエピソードは有名だ。「在日の子がここ（韓国）になぜ来たの？」「半日本人」などの卑下する言葉を使い、チームの仲間たちは韓国語が下手な彼を無視していじめていたという。 　　彼はついに韓国代表に選ばれることなく、結局2007年に日本国籍を取得し、2011年のアジアカップの代表に抜てきされ、オーストラリアとの決勝戦で決勝ゴールを入れて優勝カップを手にした。 　私たち韓国人は、少なくとも彼のゴールを真摯（しんし）に受けとめる必要がある。私たちは、学歴や地縁、あるいは血統や姓氏でグループを作成し、その派閥に属さないと思う人は、徹底的に排除する傾向がある。秋山成勲さんに対してもそうだった。ただ自分と違う、所属が違うという理由で、彼らの能力を無視して排除する習慣は捨ててみてはどうだろうか？