海外で一度登録された世界遺産が“登録抹消”されるという異常事態が起きた模様。舞台は欧州のようです。

国連教育・科学・文化機関（ユネスコ）は２００９年６月２５日、ドイツ東部の街・ドレスデンにある景勝地エルベ渓谷を世界遺産の登録リストから除外することを決めた。１度登録された世界遺産が登録抹消されたのは２件目で、先進国では初の不名誉だ。
ちなみに不名誉な“第１号”は、中東・オマーンの「アラビアオリックスの保護区」だった。

今回“登録抹消劇”の舞台となったエルベ渓谷は、エルベ川沿いに全長約１８ｋｍにわたって広がり、豊かな自然とバロック建築が調和する美しい景観が有名で、２００４年に世界遺産登録された。

今回の“登録抹消劇”の発端は、２００７年にドレスデン市当局が交通渋滞緩和を目的に“新しい橋の建設に着手した”ことにあるらしい。
ユネスコ側は、ドレスデン市の新橋建設計画について「景観を損ねる」として地底トンネル案にするように勧告したが、ドレスデン市側が「建設コストがかさむ」として譲歩せず当初の計画に沿って新橋を建設し、結果的に景観を損ねたため“登録抹消”に至ったようだ。

福山でも鞆の浦での埋め立て架橋計画が問題になっていますが、今回の“登録抹消劇”は日本の景勝地での開発問題でも他人事でないことを痛感させられます。
鞆の浦の“埋め立て架橋計画”と今回の“ドレスデンの悲劇”には共通点があるように感じます。埋め立て架橋計画の名目になっている「交通渋滞緩和」と、代替案のトンネル案と比較した場合に「埋め立て架橋計画」のほうがコストが安いところです。
羽田市長や埋め立て架橋計画賛成派議員・住民の皆さんって、埋め立て架橋計画を進めた際の“損害”が自分たちが考えているより大きいことを知らないのでは？？