栃木県で集団登校中の小学生が暴走したクレーン車にはねられる痛ましい事故が発生。
はねられた全員が亡くなった模様。

２０１１年４月１８日７時４３分頃、栃木県鹿沼市樅山町の国道２９３号を走行中の大型クレーン車（１２トン）がセンターラインを越え、反対車線の歩道にいた登校中の小学生の列に突っ込んだ。この事故で市立北押原小学校の男児５人、女児１人が死亡した。県警は、自動車運転過失傷害の疑いで、運転手の柴田将人容疑者（２６歳）を現行犯逮捕。同致死容疑に切り替え、詳しい状況を調べている。

現場は、児童が通う鹿沼市立北押原小から約１７０メートルの、片側１車線の直線道路。ガードレールはない。目撃者らによると、小学生約２０～３０人が集団で登校していたところ、反対車線を走行中のクレーン車が突然、センターラインを越え、歩道に突っ込んできた。縁石を乗り越えて歩道にあったポールをなぎ倒すと、右斜め前方から、集団の真ん中付近にいた児童を次々とはねた。クレーン車は「ばりばり」と音を立て、国道沿いの建物にぶつかり、止まった。

周辺にはランドセルが散乱。建物のガラスも割れ、２人はクレーン車の後方に倒れ、４人が下敷きになっていた。「助けて」「痛い…」。現場には児童の悲鳴が響いた。母親とみられる女性は「何でうちの子が…」と泣き叫び、女の子は「弟が…、巻き込まれちゃった」と泣きじゃくった。

目撃者によると、運転していた柴田容疑者は事故直前、ハンドルを抱きかかえるように下を向いていた。「減速せずにそのまま突っ込んだ」との証言も出ている。１０分以上たって、ようやく運転席から降り「すいません、すいません」と放心状態で謝り続けた。

逮捕された柴田容疑者は動揺していた様子だったが、午後になって落ち着きを取り戻した。調べには「ドンとぶつかったことは覚えているが、人をはねたかどうかは覚えていない。重大な事故を起こして申し訳ない」と話しているという。アルコールは検知されなかった。鹿沼署では前方不注意や居眠り運転の可能性もあるとみている。

勤務先の小太刀重機によると、柴田容疑者は２０１０年５月に社員試用、同８月から正社員に。移動式クレーンの免許は２００９年４月に取得した。「真面目で、これといって悪いところもなかった。４月は２日休んでいる。体に無理をさせるような仕事ではない」と小太刀新社長。この日は、会社から作業現場の市内施設に向かっている途中に事故を起こした。

県警によると、亡くなったのは４年生の女子１人と男子２人（Ａさん、Ｂ君、Ｃ君、ともに９歳）、５年生の男子１人（Ｄ君、１０歳）、６年生の男子２人（Ｅ君、Ｆ君ともに１１歳）

栃木県鹿沼市の国道で登校中の市立北押原小の児童６人がクレーン車にはねられ死亡した事故で、自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕された運転手柴田将人容疑者（２６）が「居眠りをしてしまった」と供述していることが１９日、分かった。県警は目撃情報とともに、勤務状況や直近の行動などを捜査。会社から現場までは約７００メートルと近く、運転開始直後に事故を起こしていることから、本当に居眠りが原因だったのか、慎重に調べを進める。