いつものように、某ポータルのニュースサイトへ逝ったら、生活保護問題に関する記事を発見したので、とりあえずネタにして見ます。

赤木智弘氏の「眼光紙背」記事「働くべきではない人間が働かないことによって、社会全体の生産性が上がる」は、住民の奉仕者である役所の職員の有るべき姿などを考えさせれますね。

「赤木智弘の眼光紙背」第８８回で赤木氏は、北九州市老夫婦生活保護打ち切り取消訴訟を冒頭で挙げており、

難病のために生活保護を受けていた北九州市の夫婦が、通院や買い物など、日常生活のために軽自動車を使っていたことから、生活保護を打ち切られていた問題で、福岡地裁は２００９年５月２９日に「処分は違法」として生活保護停止処分の取り消しを求めた。

また、北九州市か！

２００７年７月に５２歳の男性が生活保護を取り消され、日記に「おにぎりを食べたい」と書き残して餓死した事件が起きたのも北九州市である。
事件はマスコミで広く取り上げられ、大きな批判を受けて少しは反省したかと思ったら、まだこんな弱いものイジメ、いや、むしろ殺人ごっことでも言われるべき馬鹿げた行為を続けているようだ。

という感じで、北九州市役所職員のまずい対応を引き合いに出し、“生活保護行政”の問題点について指摘している。

また、生活保護行政について赤木氏はこのような提案をしている。

私は、生活保護制度の大幅な拡充を求めている。
生活保護が憲法２５条に記された「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保証するものである以上、多くの人が所有している物の所有を否定する、「車を所有しちゃダメ」「エアコンもダメ」のような規制は、憲法違反である。
「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」というのは、自分の考えで言えば、１人頭６畳程度の専有面積を持つ家に住み、電気ガス水道は当然として、エアコンや自動車等の、これまで生活保護行政で問題にされてきた物ももちろん認められるべきである。また、携帯電話やインターネットの利用も、それがこれだけ多くの国民に利用されている以上、認める必要がある。そうそう、国の勝手な都合でアナログ停波が決定したので、地デジ対応ＴＶも「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」の範疇でいいだろう。
まぁ、予算の都合はともかく、原則的にはそのくらいの内容となって初めて“先進国にふさわしいセーフティーネット”として誇れる制度になるのではないかと、私は考えている。

そういうことをいうと「生活保護に頼って生活して、働かない人間が出てくる」という意見がでてくる。しかし、私は「働かない人間がいる」ことが、日本にとって問題だとは思わない。むしろ「働かないほうがマシな人間を、働かせないことができる」という効用に期待する。
多分、あなたの周りにも「仕事もろくすっぽ出来ないくせに、威張っている」ような人間がいるだろう。それが上司だとして、そんな人間のせいで、あなたの仕事が進まないとしたらどうだろうか？
世の中には残念ながら、経済的な生産能力がマイナスの人間というのがいる。
しかし、仕事をしなければ生活できない日本社会においては、そうした人間に対しても必ず仕事を与えなければならないし、賃金が支払われなければならない。社会は踏んだり蹴ったりである。
ならば、そうした人間を仕事の場に出してマイナスを発生させ続けるよりは、家で酒でも飲んで寝ててもらった方がマシだとは考えられないだろうか？
働くべきではない人間が働かないことによって、社会全体の生産性が上がる。私はそういう形での社会貢献もあると考えている。

そして、そうした考え方を実践できるだけの、充実した生活保護制度ができたとすれば、最初に働かないでもらうのは、この馬鹿馬鹿しくも残酷な行為を行った、北九州市の福祉課の人間達である。
彼らは生活保護のなんたるかをまともに理解できる能力がないのにもかかわらず仕事をしていたために、さまざまな悲劇を産み出した。
彼らが働かなければ、５２歳の男性は餓死せずにすんだかもしれないし、今回の老夫婦イジメもなかったかもしれない。
彼らの現在の給料よりも、月２５万ぐらいの生活保護費の方が安いだろう。経費を減らして、なおかつ北九州市民の安全を守る、とってもいいアイデアだと思うのだが、どうだろうか？

日本国憲法が公布された当初は、一般庶民の電話は金持ちの家からの呼び出しが多くＴＶの受像機は白黒アナログ放送（音声はモノラルのみ）すら存在せず自動車は高嶺の花だった。冷房は扇風機すらない家庭もあった。
その後の高度経済成長で一般庶民にもＴＶ（白黒ｏｒカラーのアナログ放送）が広まり、自動車持ちも増えた。冷房もエアコン（クーラー）時代の到来。
そして今やＴＶはデジタル放送・ステレオ音声・薄型画面は当たり前。自動車は一般庶民の家庭ですら２台所有はざら、エアコンは冷房の他にも暖房＆除湿も実装済。さらに大半の庶民が爆発的に普及したパソコン・携帯電話を使ってインターネットへアクセスできる時代だ。

憲法で保障されている“最低限”のラインは時代と共に底上げされているのに、極貧なために“最低限”のラインを下回るひもじい生活を強いられている皆さんが「世界同時不況」以降に急増している。また、配偶者からの暴行を度々受けてその魔手から逃れるために住所不定になった人も見受けられる。
こういった人たちは誰かが積極的に手を差し伸べて救わないと一生“最低限”のラインを１要素でも下回ったまま死んでいく可能性が高い。
ホームレス（失業者・ＤＶ被害者など）や障碍者（特に知的障害や広範性発達傷害）の救済はもちろん、ニートやパラサイテストの独立支援のためにも、生活保護の適用範囲拡大は必要と思います。
住宅はネット完備のアパートなどを初期費用や引越し代まで援助し、インターネットやパソコン・携帯電話は原則認める。さらに新規契約の初期費用なども実費援助すべき。自動車などは軽四までなら原則容認するのが筋。食べ物は当然１日３食＋間食つきで標準レベル並みの金額を。衣類や靴は原則標準レベル並の額まで支給し、各々の内面的性別にも配慮すべき。そして医療費や診断料は全額無償。

一方、無能な役人の罷免についてですが、役職などによっては一気にヒラまで降格させるのも手かもしれません。退職金との兼ね合いもあるので。

↓参照
【眼光紙背】働くべきではない人間が働かないことによって、社会全体の生産性が上がる
＜処分取り消し＞車所有の難病夫婦、北九州市が生活保護停止　訴訟で市が敗訴（毎日新聞）
「深夜のシマネコ」（赤木智弘氏のウェブサイト）

興味があれば、赤木智弘氏の著書もチェックしていただけると幸いです。
近著：「当たり前」をひっぱたく